この記事では漫画「しょせんは他人事ですから」3巻に収録された『「改正」プロバイダ責任制限法について』のあらすじと登場人物、「改プロ法」の概要が分かります
更新: 瀬戸 雄大、美里 波子の説明文修正 by イラレブック
・「改正」プロバイダ責任制限法って何?
・改プロ法のあらすじと登場キャラは?
・「施行」の読み方「しこう」「せこう」どっち?
目次
- 「しょせん他人事ですから」とは
- 登場キャラ
- 保田 理
- 加賀見 灯
- 瀬戸 雄大
- 美里 波子
- 今回のストーリー
- 改プロ法とは
- まとめ
- おまけ「しこう」「せこう」どっち?
- おまけ「ヌーヌー事件」後日談
- 作品基本情報
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- イラレブックとは
「しょせん他人事ですから」とはドラマ化もされた、ネットトラブル対策の知識が身に付く社会派漫画
正式名称は「しょせん他人事(ひとごと)ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」、略称は「他人事」。2024年7月にドラマ化もされたこの漫画は、リアルなネットトラブル案件をベースにしたフィクション漫画だ。
昨今起こりがちなインターネットトラブルの対応策や注意事項などを教えてくれる。
今回はこの漫画の中から、エピソード3.5に当たる『「改正」プロバイダ責任制限法について』のストーリーと登場人物を紹介していく。
おまけで「ヌーヌー炎上事件」の後日談もあるわよ
保田 理(やすだ おさむ)
初登場:1巻第1話
職業:弁護士
この漫画の主人公で弁護士。今回は事務所を飛び出して大学院で特別講師を務めることとなった。講義のタイトルは『「改正」プロバイダ責任制限法について』だ。
しかし、何とか分かりやすく解説しようとしてくれてはいるものの、やはり法律…かみくだいて誰にでも分かりやすく説明するというのは大変に困難である。
加賀見 灯(かがみ あかり)
初登場:1巻第1話
職業:パラリーガル
保田の事務所で長年働くパラリーガル(法律事務職員)。今回は保田のアシスタントとして大学の講義に参加している。
体験型の講義で被害者役を務めたり、消極的な生徒が多い中で保田に質問を投げかけるなど、講義の盛り上げに一役買っていた。
瀬戸 雄大(せと ゆうだい)
初登場:3巻第13話
職業:大学院生
白泉大学(はくせんだいがく)法科大学院の2年生で、弁護士志望の学生。
特別講師として招かれた保田の講義を受講しにきたのだが、雪のせいかあまりの参加の少なさに不安になっている。
美里 波子(みさと なみこ)
初登場:3巻第13話話
職業:大学院生
白泉大学(はくせんだいがく)法科大学院の2年生で、検察官志望の学生。
瀬戸と共に保田の特別講義を受講しに来た。
講義が始まるまでの間、アイドルユニット「ヌーヌー」の炎上事件の顛末をスマホで検索していた。
今回は主人公の弁護士・保田が大学院の特別講師に招かれる
このストーリーには被害者も加害者も出てこないし、事件も起こらない。保田が大学院に招かれて『「改正」プロバイダ責任制限法について』という講義をするだけだその講義を、大学院2年生の瀬戸と美里が受講しにきていた
大きな講義室だというのに、外に雪が降っているせいか受講者が少ない。瀬戸(画像右の黒髪)は始まる前から不安そうな表情だたしかに少ないわね…。でも小人数の方が各自集中できるかもしれないわ
生徒も乗り気でなければ講師も乗り気ではないが…
壇上で話すのがあまり好きではない様子の保田。半泣きヤケクソな様子で、『「改正」プロバイダ責任制限法について』の講義が幕を開けたのだったしかし内容が難しい!
正直、イラストを用いてどんなに噛み砕いて話をされても、元の法律が複雑なため、受講者にも、そして読者の頭にもほとんど内容が入ってこない。だからこそトラブルに巻き込まれた時に頼るべき専門家、「弁護士」が必要になる訳なのだが、法律を理解できない=詐欺などのカモにされる可能性が高まるということなので、なんとか少しずつでも理解を深めていきたいところだ
理解できない講義って脳が重たくなるのよね
2002年に施行された「プロ責法」が、2022年に改正されたもの
令和の現在、ネット上への書き込みは、X(旧Twitter)やTictokなど「アカウント作成が必要なSNS」にログインして書き込むことが主流になっている。それが「ログイン型」と言われるサービスだ。だが「プロバイダ責任制限法」が施行された2002年にはそのようなサービスはまだ少なく、ログイン不要の誰でも書き込める掲示板(「2ちゃんねる」など)や、自作のブログ、HPなどに直接意見を書き込むことが多かった。
Twitterの日本語版は2008年からだったそうよ。2002年じゃまだまだね
「改プロ法」は「ログイン型」での開示請求をしやすくするための法改訂
上図の「ツブヤイター」が、ログイン型のサービス例だ。西暦2000年前後はこの「ツブヤイター」にあたるサービスが少なかったため、各自が契約しているプロバイダー(「NURO光」や「フレッツ光」など、自宅でインターネット回線を利用するために契約するサービスのこと)のみを介してのやりとりだったのだが、徐々に増えてきたこの「ログイン型」が挟まることによって、今までの法律では開示請求をスムーズに行うのが困難になってきてしまったのだ。そのため2022年にようやく、「ログイン型」での情報開示請求をよりスムーズに行えるよう改訂された「改訂”プロバイダ責任制限法”」が施行されたのである。
とはいえまだまだ試行錯誤中…
改正された法律が施行されてまだ2年ちょっと。まだまだ新しい法律が浸透したとは言い難く、また、改訂法が本当に効果的なのかも、事例が充分集まった訳ではないので判断するのはまだ早い。今後もさまざまなネット上の事件を通して、どんどんブラッシュアップされていくことになるだろう。
正直、詳しい法律の内容は全然分かんなかったわ。法律って難しいわね
SNSトラブルに関する法律は2024年現在も揉まれ中
今回のエピソードで紹介された『「改正」プロバイダ責任制限法』は約2年前に施行されたばかり。元の法律が施行された20年前よりは時代に則した内容に変わっているとはいえ、まだまだ実際に適用された事例も少なく、よりよい法律づくりに向けて調整中の段階だ。今回のエピソードを参考にしつつ、今後の運用を気にしていきたい。
「施行」の読み方は「しこう」と「せこう」どっちが正しいの?
「しこう」が正しいが、「せこう」と読む場合もある。このエピソードでの解説によると、霞が関(中央官僚街)では「せこう」と読むのが慣習になっているとのことだが、放送業界では法律の施行は「しこう」、建物の工事などの施工は「せこう」と使い分けているそうだ。
なお三省堂の「新明解国語辞典・第七版」では下記のように記されている。
しこう【施行】
🈩実際に行うこと、実施。🈔法令の効力を発揮させること。せこう。
せこう【施行】
「しこう」の法律語としての読み。
というわけで普段使いをするならどっちでもいい!というのが正解だ。
ケース3「アイドルいじめデマ拡散事件」で情報開示請求されたキモおじの末路…
「アイドルいじめデマ拡散事件」とは、「他人事」の漫画で2件目に取り上げられた案件で、超有名アイドルユニット「ぬーぬー」が嘘のいじめ動画を拡散され、社会問題にまで発展してしまう…という事件だ。そのエピソードの中で、完全にデマに踊らされ、率先して「ヌーヌー叩き」を行っていた人物がいる。
「キモおじ」こと中山健太郎(なかやま けんたろう)だ。
この事件が気になる方は下記の記事をご参照いただきたい。
アイドルいじめデマ拡散事件
ハンドルネーム「七色のおっちゃん」中山健太郎
今回のエピソードはヌーヌーの炎上騒動が鎮火して、しばらく経った頃の話らしく、彼がヌーヌーのメンバー双葉理央(ふたば りお)に訴えられ、会社からも家庭からもつまはじきにされた末路がそっと語られている。懲戒解雇されたあと、遂に家族とも別居することになったようだ。
あのエピソードのラストではかろうじて同居していたのだが……、追い出されてしまったのだろうか。
タイトル | しょせん他人事ですから |
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ジャンル | 弁護士ドラマ |
カテゴリー | 女性漫画 |
原作 | 左藤真通 |
漫画 | 富士屋カツヒト |
出版社 | 清水陽平 |
連載開始日 | 白泉社 |
初掲載媒体 | 2021年4月14日(水) |
連載期間 | 黒蜜 Vol.4 |
巻数 | 2021年4月14日(水)~連載中 |
漫画公式サイト | しょせん他人事ですから公式X |
アニメ公式サイト | 弁護士ドラマ公式X |
漫画公式X(旧twitter) | 女性漫画公式X |
アニメ公式X(旧twitter) | アニメ公式X |
2024年7月19日(金)からTVドラマも放送中!
この漫画を題材にした実写TVドラマがTV東京で放送された。
漫画より動画が入りやすい!という方はまずはドラマを観てみてみると良いだろう。
基本情報 | |
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放送開始日 | 2024年7月19日(金) |
放送時間 | 毎週夜20:00~ |
公式URL | https://www.tv-tokyo.co.jp/hitogoto/ |
役柄 | キャスト |
保田理(主人公) | 中島健人 |
加賀見灯(事務職員) | 白石聖 |
柏原麻帆(オリキャラ) | 片平なぎさ |
アイドルいじめ「ヌーヌー」とは?あらすじとキャラ一覧!他人事
著者:イラレブック/1977年生まれ、大阪府出身。2019年8月から自作のAdobe Illustrator製の画像で野菜から最新ゲームまで様々な情報の発信を開始。野菜や果物から映画やゲームまで、さまざまなトピックをカバーしています。