更新: by イラレブック
・カイザーの声優は誰?
・カイザーの過去回はどこで見られる?
ミヒャエル・カイザーは青い監獄第2フェーズである「新英雄大戦」で登場する。
登場直後から潔世一に激しく執着して挑発と侮蔑を繰り返してくるのだが、何が彼をそうさせるのか。そしてどんな人物なのだろうか。プロフィールや経歴を見ていきたい。
全身のバネをフルに使って視認できないほどの速さで脚を振り抜く超速シュート、それが「カイザー・インパクト」だ。世界で誰にも真似できないカイザーだけの武器である。
その他、身体能力もチームのU-20メンバー内1位で、ハンドワークやトラップも上手い。ハイスペックな総合能力に突出したシュート技術を併せ持っているのだから「新世代世界11傑」に選出されるのも当然と言えるだろう。
自分が一番上じゃないと気が済まないし、親切にされると拒絶したくなる。常に棘全開なその性格のおかげで新英雄大戦でも参加チーム中唯一チーム仲が悪い最悪の環境をつくりあげた。
唯我独尊のプライドもエースストライカーの大事な素質だとは思うが、無駄に敵を増やすのは悪手だと思う。
しかし、そんなカイザーにも単行本30巻から変化が訪れる。少しずつ大人になっていくカイザーを見守ろう。
物心つく前に母は家出し、妻に捨てられた父からその恨みを一身に受けて育ったカイザーは、父に「クソ物」と呼ばれ続けたせいで「クソ」が口癖となり、暴力と暴言しか与えられなかったために他人の愛情を受け取れない性質になってしまった。
窃盗を強要され、全力で蹴られ、酒瓶が割れるほどの勢いで頭を殴られ、首をしめられ、一度も名前を呼ばれず「クソ物」扱いされるなど、カイザーの幼少期はとにかく悲惨だ。
だけどそれでも「誰かに愛されたい」とは願っていたというのに、いざ他人に愛情を向けられると全力で拒絶するとは……複雑な青年期である。
なおカイザーの過去は単行本30巻でたっぷり読める他、28巻の第242話、243話で語られるネスの過去内でも知ることができる。
自分が世界一じゃないと気が済まないのがカイザーなので、U-20枠の中で急に世界から注目され始めた「青い監獄」のマン・オブ・ザ・マッチかつ「俺が日本をU-20W杯で優勝させます」と世界に向けて宣言した潔世一は「絶対潰す害虫」に認定せざるを得ない相手だ。
出会った瞬間から異常なまでに潔に執着して因縁をつけてくる。現在はまだまだ実力的に潔が格下なものの、直感でその潜在能力を感じ取ってもいるために過剰につっかかる部分もあるのだろう。
そんなわけなので潔からの好感度は最底辺だし、そのおかげでチーム全体の関係もドイツ勢と日本勢で分断されてしまった。
現在カイザーが所属している「バスタード・ミュンヘン」には、世界一のストライカー、ノエル・ノアが絶対王者として君臨している。だが自分こそが絶対王者になりたいカイザーにとってはノアの存在は目ざわりでしかない。
しかしノアにとってのカイザーは「将来ライバルになり得る育て甲斐ある若手」だ。早く育って自分をより高みへ導くための障壁になって欲しい……と思われているのだが、カイザーにとっては鬱陶しい話だ。
ノエル・ノア特集はこちら
目次に戻る絶望しかけたところをカイザーに救われ、カイザーを信じてカイザーのために全力で尽くす忠臣アレクシス・ネス。カイザーが欲しがっていた「愛」を献身的に与えてくれる存在だというのに、カイザーはネスを「利用できる犬」だとしか思っていない。そして捨てようとする。ひどい。
カイザーはプロフィール欄の「好きな動物」に捨て犬と書いているのだから、まさに自分が捨てて捨て犬になったネスにも好意を向けてあげてほしい。
青い薔薇は自然界には存在しない「不可能」の象徴だ。現実では2004年にサントリー株式会社が中心となった研究で遺伝子操作によって生み出された。自然(=神)には創れなかったものを人間が可能にしたということで、カイザーにとって青い薔薇は「ありえない存在」であり「神への反逆の象徴」になったのだ(単行本28巻第243話参照)。
しかし薔薇は毒親である父が唯一大切にしていた、妻からのプレゼントでもある。なんとも皮肉な話だ。
TVアニメ2期のU-20日本代表との壮行試合で幕を閉じた「青い監獄計画」フェーズ1。ここからは世界を巻き込んでさらに壮大なスケールとなる「新英雄大戦」が開幕する。
ミヒャエル・カイザーはそこに立ち塞がる潔世一が超えるべき新たな壁だ。傲慢だが世界屈指の実力とカイザー・インパクトという驚異の武器を持つ「新世代世界11傑」の一角を前に、潔がどう立ち向かうのかに注目したい。