186億円

映画【メガロポリス】 ネタバレなし+あり感想!あらすじ!Q&A!

「メガロポリス」のパンフレットと表題
「メガロポリス」のパンフレットと表題

コッポラ監督が186億円の私財を投じて作り上げた、観たら後悔する映画No.1の全貌を解説。支離滅裂な夢と壮大な厨二病ストーリーの真実とは?

この記事でわかること

更新: by イラレブック

メガロポリス(MEGALOPOLIS)

メガロポリス(MEGALOPOLIS)は2025年6月20日(金)に全国公開された、コッポラ監督の最新作

「メガロポリス(MEGALOPOLIS)」は、「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」で有名なフランシス・フォード・コッポラ監督の最新作で、なんと構想40年!私財投資額1億2000万ドル(約186億円)だという。まさにコッポラ監督が自らを投げ打って作った夢の集大成とも言える作品だ

新たまちゃん 新たまちゃん

偉大な監督の人生最大の渾身作、気になる…って思うじゃん?

あらすじ

「メガロポリス」は理想の未来都市を作りたい天才主人公が苦悩する物語

舞台は古代ローマと現代アメリカが融合した世界。その名も「アメリカ共和国の大都市『ニューローマ』」だ。この世界では富裕層と貧困層の差が大変に大きく、市民による暴動が度々起きていた。
主人公であり天才建築家のカエサルは、「俺が開発したノーベル賞受賞物質『メガロン』を使った新都市を作れば全て解決する!!」と考え、議会や市民に向けてそれを訴え始める。だが、就任したばかりの現市長から「巨大カジノを作る計画と競合するからダメ!」と却下され、その対立が次第に激化していく……

そして余談だが、カエサルは時を止める能力を持っていたのだ。

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本筋はよくある話だけど、「時を止める能力」の唐突さと関連性のなさが壊滅的すぎた

ネタバレなし感想

「メガロポリス」は観たら後悔する映画No.1!誰か(監督)の支離滅裂な夢&厨二病の壮大俺つよストーリー

正直な話、主人公を含めた登場人物の目的が何1つ理解できず、ストーリーの着地点や流れも理解できず、会話の意味もほぼ理解できず、「私は何を観てるんだ?」、「どれくらい時間が経ったんだ?」、「あとどれくらいで終わるんだ?」、「頼む…!今すぐ次の瞬間エンドロールが始まってくれ!」という気持ちで椅子に座っているという、拷問のような時間だった。
延々と主人公のナルシスト顔のアップが多用された大画面のひとりよがり劇場がずっと続くスクリーンはとにかくクドく、やめてくれ…もうこの顔はやめてくれ……と強く思った。そして度々意識が遠のいた。

遠のいた意識が何度戻っても映画は終わらず、大きな波もなく、謎概念の説明、しょっちゅう差し込まれるエロ、ローマ✕現代アメリカの謎メルヘン演出……が、繰り返されていた。完全に「どうでもいい人が昨日観た夢の内容を延々語っているのを聞いている状態」である。しかもそれに「中学時代に考えた、中身はないし細部がガバガバだけどひらすら壮大なストーリー」が掛け合わされている。それが全世界に公開されているのだ。……恐ろしい。

もしもこのデートを初デートでチョイスしてしまったら、高確率でデートは大失敗に終わるだろう。

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実際、エンドロール開始直後に席を立った人は体感で2.5倍くらい多かったな

良かった点

独創性のある振り切った演出

3連コロッセオに男女混合プロレスラーを配置。何故か重要な議会を足場の悪くて狭い工事現場で行う。超近代的文明なのに武器は銃ではなくクロスボウ…などなど。誰にも想像できないオリジナリティある設定が具現化されているのが面白かった。
もちろん矛盾は感じるし、摩訶不思議だし、視聴者を置いてけぼりにしている感はあるのだが、この独創性は流石レジェンド監督!という印象があった。

新たまちゃん 新たまちゃん

ここまでやりたい事を貫いて実現するパワーは圧倒的に天才だと思う

ネタバレQ&A

「メガロポリス」を観たあとに生じるであろう疑問をQ&A形式にしてみた

ここから先は本編を観た人用のネタバレありのQ&Aだ。視聴中に何も理解できなかったなりに、その後パンフレットの情報などを元に「分からなすぎる設定」を整理してみた。
これから映画を観に行く予定の方や、ネタバレを踏みたくない方はこの項目をスキップしていただきたい

Q1:ローマなの?アメリカなの?

A1:舞台は21世紀のアメリカ

物語の序盤に舞台がローマだと勘違いさせるセリフが多用されるため紛らわしいが、あくまで「ローマ風に進化した21世紀のアメリカ大陸」である。

Q2:メガロンて何?

A2:あらゆる物質の代替物質

メガロンは生体から建造物にいたるまで、この世のあらゆる物質の代替になるパーフェクト夢物質で、おまけに次元も超えるらしい。欠損した人体の一部にもなるし、ビルや道路にもなるし、服にも加工できる。
だが原材料は謎。生成費用も謎。加工方法も謎。ホログラムっぽく黄金色に輝いてユラユラしている。パンフレットを読んでも詳しくは語られていない。

イラレブックのオリジナルキャラクター新たまちゃん画像 新たまちゃん

「俺が考えた超スゴイ夢のパーフェクト物質」って感じかな

Q3:メガロポリスって何?

A3:100%メガロン製の夢都市

主人公カエサルが考えた、全建築素材にメガロンを使用した夢の都市。いまある都市を完全なる更地にして、道路、建物、下水路…とにかくオール100%メガロンにすれば全ての問題が解決する!それがメガロポリスだ!と……カエサルは言っている。根拠は謎。予算も謎。なんでそれで貧富差の問題や雇用の問題が解決するかも謎。そしてカエサルもそれを説明しない(精神論しか訴えない)。
メガロンは次元を超越するので狭い土地でも誰でも庭付き一軒家が作れるらしく、土地代がかからないから貧乏でもOK!という理屈のようだ。建築費用や建築期間、雇用問題、食糧問題については何1つ解決策を出していない。

Q4:時を止める能力で何をした?

A4:別に何もしていない

主人公のカエサルが「自分は特別な人間」と実感したいときに時を止め、満足すると時を動かす。ただそれだけ。本筋にはなにも関係ないし、時を止めている間に何かするわけでもない。「この能力があったからって何なの???」と思わざるを得ない。

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強いて言えば主人公とヒロインが出会うのに一役買ったかな…

Q5:主人公の元妻はどうなった?

A5:ヒロインに出会った途端に忘れられた

主人公のカエサルの妻は物語の開始前に殺されている設定だ。しかし、亡き妻を今も愛し続けるカエサルは、夢物質メガロンで妻の幻影を作り上げ、姿だけの妻を愛する生活を送っていた。
……だがしかし、ヒロインのジュリアに「あなたは時を止めることができるのね」と見破られた途端、カエサルはジュリアに夢中になり、亡き妻への愛を一瞬で忘れ去るのだ。その後はメガロン製の妻は一切出てこない。

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能力を見破られたから何なん?切り替えスイッチ怖!って正直思った

Q6:クラックス3世って何者?

A6:ニューローマのNo.1大富豪で市長のパトロンで主人公の叔父

謎の権力者クラックス3世にはあらゆる設定が詰め込まれている。彼はニューローマ最大のメガバンクの社長で、ニューローマで一番の大富豪であり、新市長のパトロンであり、さらには主人公カエサルの叔父である。

新市長キケロのパトロンとして、どうやら財政難救済計画のほとんどをクラックス3世が考案しているらしい。
しかしその内容は「自分の一族にいる5人の生娘を競売にかけ、入札金額を市の財政に当てる」というヤバいものだ。「処女で美人の娘だ!妻にする権利を100億ドルで買え!それが市の財源になるんだ!」と人身売買を高らかに謳っており、もはや政治ってなんだっけ…となる。
ついでに甥(主人公)の元恋人を寝取って妻にした。

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設定盛り過ぎおじさん

パンフレットは買うべき?

「メガロポリス」のパンフレット購入判断は視聴後にするのがベター

「メガロポリス」のパンフレット
メガロポリスのパンフレット表紙と裏表紙

「メガロポリス」のパンフレットは視聴前に買わない方が良い。視聴後に買ったことを後悔しても遅いからだ。映画を観終わったあとに、「少しでも謎が解けるなら…」とか「こんなものを作った監督の意図を知りたい…」などの好奇心が後悔に勝っていたら購入しよう。
値段は1,000円。パンフレットとして平均的な値段だ。あらすじや簡単な登場人物紹介が載っているので、追加で課金してでも1ミリくらいは作品を理解したい。と思った場合は買ってもいいかもしれない。

まとめ

「メガロポリス」はコッポラ監督の「俺の作った最強壮大ファンタジー夢大作」

構想40年…というだけあって、最強に最高で、最高に天才で、天才的にカッコよくて、宇宙一壮大なロマンチックオペラファンタジー!…だけど設定詰め込み過ぎたから構成が支離滅裂!カッコよさ優先だから細かいことは気にするな!という大変な呪物に仕上がってしまった映画……それが「メガロポリス」だ。

監督の知名度と、莫大な私財投入という情熱に打たれて劇場に行こうとしている人は、決して同じ熱量を持った人以外をこの映画に誘ってはいけない。特に初デートで選ぼうものなら確実に関係が壊れる。そして手持無沙汰だと本当にキツいので、Mサイズ以上のポップコーンの購入を強くお勧めする。

イラレブックのオリジナルキャラクター新たまちゃん画像 新たまちゃん

むしろビールとか買った方がいいよ

作品詳細

タイトル メガロポリス
監督 フランシス・フォード・コッポラ
脚本 フランシス・フォード・コッポラ
製作 フランシス・フォード・コッポラ
全米公開日 2025年4月4日(金)
日本語版公開日 2025年4月25日(金)
来場者特典 なし
映画公式サイト 公式サイト
配給元公式X 公式X