
絵心甚八「成功の方程式」~1次セレクション編~
絵心さんが語る勝利への方程式。入寮テストから1次選考までの名言を解説
この記事でわかること
・FLOWって何?
・FLOWとゾーンの違いは?
この記事を読めばFLOWの意味や入り方、そして黒バスの「ゾーン」との違いが分かります
青い監獄プロジェクトの総指揮官の絵心さんは、ことあるごとに勝利への方程式をミニ講義形式で教えてくれる。その中でも特に力を入れて教えてくれたのが「FLOW」についてだ。
青い監獄で過酷な生き残り戦争を勝ち抜き、初の公式試合であるU-20日本代表との壮行試合へ挑もうとする「才能の原石共」に、分かりやすい表とイメージ画像を用いて教えてくれた。
これは日々の仕事や勝負事、試験などにも役立つ「超集中」の法則だ。
どんなものなのだろうか。
甲子園を目指すオレたちにもすげー役立ちそうだぜ!
ですねえ。「FLOW」の定義や入り方を見ていきましょう
水などの液体、風や空気などの気体、電流や電波、それに人や乗り物、思考などなど……。物事がスムーズかつ絶え間なく流れることを意味する言葉だ。
それをなぜ絵心さんは「超集中」という意味で使っているのだろうか。
うーん。思考の雑念が抜けて、心身が最高の波に乗った状態的なことなんですかねえ
実はFLOWは元々イタリア領出身の心理学者ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)が提唱した理論なのだ。絵心さんはそれを自分なりに解釈し、かみ砕いて教えてくれたのだ。
ここで「ブルーロック」の作中に出てくる、絵心さんの言葉を見ていこう
目次に戻る原作単行本だと13巻の第111話。
TVアニメだと2期のエピソード29。
どちらもタイトルは「FLOW」だ。
そこで語られた絵心さんのセリフの抜粋はこちら。
自分の平常時の実力より「やや高い」くらいの、ほど良い難易度の課題に挑むことで湧き上がる「高揚感」や「没入感」。それに浸っているときの集中状態がFLOWだという。
スポーツで超集中つったら「黒バス※」にも出てきた「ゾーン」が有名だよな。同じモンか?
似てはいますが、絵心理論の特徴は「誰でも同条件で再現可能」なところなんです
※「黒バス」とは「黒子のバスケ」の略称で、2009年から2014年まで週刊少年ジャンプで連載されていた高校生バスケ漫画。TVアニメは3期に渡り全75話も放映され、舞台や劇場版も公開されるなどした大ヒット作品だ。
目次に戻る「ゾーン」とは、週刊少年ジャンプで連載していたバスケ漫画「黒子のバスケ」で有名になった言葉で、主にアスリートが起こす「極限の集中状態」のことだ。単行本では15巻の第133Q「感謝するぜ」、TVアニメでは2期の第42Q「信じてますから」で解説されていて、「余計な思考感情が全てなくなりプレイに没頭する、ただの集中を超えた究極の集中状態」だとされている。定義的には完全に「FLOW」と一緒だ。
しかし「超集中によるプレーへの没頭」という部分は同じだが、実は大きく異なる点が2つある。それが「再現性」と「発動条件」だ。
選手の持っている力を最大限引き出すことができる反面、トップアスリートでも偶発的にしか経験できない稀有な現象である。
練習に練習を重ねた者だけがその扉の前に立つことを許され、それでもなお気まぐれにしか開かない
最も定義したいのが『挑戦的集中』であるコトだ。それはつまり「自分にとって適度な難しさの目標に向かうコト」。
己の能力を適格に知り制御(コントロール)して明確で身の丈にあった目標(ゴール)に挑むコトで、人間(ヒト)は『FLOW』状態へと没入する
ゾーンに入るには人それぞれ異なる引き金(トリガー)がある。理想的な精神状態の時その引き金(トリガー)を引くと人はゾーンに入る。引き金は「仲間のために戦う意志」だったり、逆に「独りで戦う決意」だったりする。
ただし知っているからといって自在に引けるものではない
「能力レベル」と「挑戦レベル」のバランスを見極め、「退屈」と「不安」の中間に位置する「高すぎず低すぎない課題」に挑むことで誰もがFLOW状態へ没入できる。ただし難易度は高い
「ゾーン」について、「黒バス」に登場する「キセキの世代(超天才集団)」のエース青峰大輝(あおみね だいき)と主将の赤司征十郎(あかしせいじゅうろう)だけは、超人的な才能(センス)により自発的にゾーンへの扉を自力でこじあけることができ、それを教えてもらった天賦の才を持つ男、火神大我(かがみ たいが)も後々使いこなせるようになる。
だが他の人間はたとえ「キセキの世代」であっても入れなかったりするし、ましてやそれ以外のプレイヤーには不可能な領域とされている。
対して「ブルーロック」では「U-20日本代表との壮行試合では選手全員がFLOWに入れ」と指示が出され、それは実現可能な挑戦であると説かれている。結果的には全員が入れたわけではないが、敵味方含めて多くの選手がFLOW状態への突入を実現できた。
なお漫画の世界ではなく現実世界ではFLOWとゾーンの違いについて様々な意見が提唱されているので、色々調べてみると良いだろう。「状態的にはまったく同じで提唱者が違うだけ」という人もいれば「FLOWはただの超集中。ゾーンはそこからさらに突き抜けた、時の流れがスローモーションに感じたり音が一切聞こえなくなるほど別次元の覚醒感覚」と区別している人もいる。
黒バスの「ゾーン」の再現は天才の特権でブルロの「FLOW」は誰でも再現可能な方程式なんです
再現可能ならオレも体験したいぜ!しかし『挑戦的集中』ってのが難しそうだな
絵心さんは言っている。
『スマホひとつで簡単に得られる受動的な「夢中」はいい例で、たしかに時間と自分を忘れさせてくれるだろう
だがそれは能動的に獲得する お前だけの「夢中」ではない
つまり「ダラダラとSNSや動画を見ながら過ごして、気付いたら半日経っちゃった…」みたいな集中は「挑戦的集中」ではない。能動的に今よりやや高い目標を定め、そこに向かって挑戦する。それが最も重要であり「FLOW」へ到達する道なのだ……ということだ。
動画やまとめサイト巡回で土日が終わる身としては耳が痛いぜ…
まあ気を取り直して、最初にFLOWに入ったヒトでも見ていきましょう
単行本12巻の第103話「全感覚体験」にて、3次選考セレクション適性試験の試合中に潔が初めてのFLOWに目覚めた。
このときはチームメイトの氷織羊による「その思考 反射でやってみ」というアドバイスがきっかけとなって無意識に体験しただけだったか、後に絵心さんの講義を受けて自発的な再現を試みるようになる。
主人公の覚醒ってのはやっぱ熱いよな!
「頑張れば届きそう」で「実現を想像できる」。そんな適度な難易度の目標に全力で挑むことで体験できる能動的な夢中状態、これが「FLOW(フロー)」だ。類似の現象を現す言葉に「ゾーン」というものがあり、こちらは漫画「黒子のバスケ」で一躍有名になった。
どちらも「超集中状態」というのは同じだが、「ゾーン」は選ばれし天才だけしか自発的に発動できず、かつ人それぞれで発動条件が異なるのに対し、「FLOW」はどんな人間でも同じ方程式で再現可能と説明されている点が大きく異なっている。
誰でも再現可能とはいえ容易ではないのは確かだが、ぜひともリアルな人生に活かせるよう己を鍛えていきたいものだ。
休日を寝スマホで潰す生活から、少しでも脱却できるように……。
甲子園のエースたるもの、もっと自分を追い込まねぇとな
休みと集中、メリハリをつけてやっていきたいです
FLOWとゾーンの解説回 | 原作漫画 | TVアニメ |
---|---|---|
FLOW | 13巻 第111話 | 2期エピソード29 |
ゾーン | 15巻 第133Q | 2期 エピソード18(第42Q) |
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A. 挑戦的集中状態
「FLOW」は一切の雑念なく1つのことに集中し、普段の能力より一段上の実力を発揮できている状態のことだ。退屈と不安の狭間、自分にとって少しだけ難しいが不可能ではないくらいの難易度の課題に挑戦するときの、高揚感のある集中状態を絵心さんは「FLOW」と呼んでいる。
A. 実在の心理学者が提唱した概念
実はFLOWには元ネタがある。ハンガリー出身の心理学者、ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)氏が1990年に出版した「Flow: The Psychology of Optimal Experience(フロー体験 喜びの現象学)」の中で説明されており、絵心さんの説明はほぼチクセントミハイ氏の定義を引用している。なおチクセントミハイ氏は「フローの父」と呼ばれている。
A. 潔世一、糸師凛など多数
最初にFLOW状態を体験したのは潔世一だ。その後、絵心さんからの講義を受けてFLOWを知った他の選手たちも、次々に試合の中でFLOWを体験していった。具体的には士道龍聖、糸師凛、オリヴァ・愛空などだ。
A. 人によって異なる
FLOWが「挑戦的集中状態」というのは万人共通の定義だが、「ブルーロック」の世界ではFLOW中の状態が人によって異なっている。例えば潔世一は超人的な動体視力と俯瞰能力が超高速化してゴールへの最適解を先読みできるようになり、糸師凛はあらゆる敵をなぎ倒し、相手の強みを破壊するビーストと化す。