VIRTUAL BOY COMPLETE ARCHIVE

横井軍平（1941-1997）は、任天堂の伝説的な開発者。「枯れた技術の水平思考」という哲学で知られ、ゲーム&ウォッチ、ゲームボーイ、そしてVirtual Boyを生み出した。

彼の哲学は「最先端技術ではなく、枯れた（安定した）技術を新しい視点で組み合わせることで革新を生む」というもの。Virtual Boyも赤色LEDという「枯れた技術」で3D立体視を実現した。

1996年に任天堂を退社し、独立してゲーム開発を続けたが、1997年10月4日、交通事故により56歳で逝去。彼の遺した哲学は今も任天堂のDNAに息づいている。

日本：15,000円（1995年7月21日発売）

北米：$179.95（1995年8月14日発売）

発売から半年後には大幅値下げされ、日本では5,000円、北米では$30まで下落。現在の中古市場では皮肉にも当時の定価を超える価格（3万円～5万円）で取引されている。

ソフトの定価は4,800円～5,800円が中心。現在、レアソフトは数万円で取引される。

「バーチャルボーイは、未来にホログラムゲーム機が実現したら再評価されるだろう」

VBは「早すぎた挑戦」だった。1995年当時の技術では、フルカラー液晶も、頭部トラッキングも、高解像度ディスプレイも実現できなかった。しかし、その挑戦精神と独創的なゲームデザインは、現代のVR/AR開発者たちにインスピレーションを与え続けている。

Meta Quest、Apple Vision Pro、そして将来のホログラム技術が普及した時、人々は振り返るだろう。「30年前の任天堂は、赤い光だけでここまでやっていたのか」と。

Virtual Boyは失敗作ではない。未来への種を蒔いた、時代を先取りしすぎた野心作なのだ。