【あざちょうべい】
亜左弔兵衛は「賊王」の異名を持つ野盗集団のトップ

亜左弔兵衛(あざちょうべい)は地獄楽のメインキャラの1人で、「賊王」の異名を持つ死罪人の1人だ。「賊」というのは野盗や盗賊のことで、弔兵衛は近隣の犯罪者たちの頭領ということである。
ちなみに弔兵衛は若干20歳。
一体どんな能力を以てして、その若さで荒くれ者共のトップへ君臨していたのだろうか。弔兵衛の強さや能力について詳しく見ていきたい。
なお彼が悪の道に堕ちたのは悲劇の過去に起因している。弔兵衛の過去が知りたい方は下記の記事をご参照いただきたい。
【弔兵衛の能力①】
亜左弔兵衛は適応能力の天才
弔兵衛はどんなに理解しがたい状況でも、目の前の現実をありのままに飲み込み、瞬時に適応することができる。
両親を立て続けに失くして衣食住の全てを失ったときも、野盗に襲われたときも、すぐに状況を受け入れて場を支配してきた。自分と弟を売り飛ばそうとした野盗に取り入り、気に入られて仲間になっただけではなく、さらには野盗のリーダーにまで昇りつめたのだ。
神仙郷に渡ってからも、突然目の前に現れた巨大な異形の怪物をあっさり受け入れ、その日のうちに急所を見抜いて無双していた。
また、相手を利用するためなら瞬時におだてて調子に乗せ、気持ちよく言う事を利かせることもできる。本来なら仙薬を取り合う敵である筈の民谷巌鉄斎も、弔兵衛の口車ですっかり手玉に取られていた(単行本9巻第78話参照)。
【弔兵衛の能力②】
亜左弔兵衛は神仙郷に渡る前から熊より強い

これは小説版地獄楽「うたかたの夢」の中で語られたエピソードなのだが、弔兵衛率いる野盗団が、よその土地から来た「熊と互角の強さを持つ」と言われる大男 権左(ごんざ)が率いる別の野盗団に急襲され、壊滅したことがあった。
しかしそれから僅かひと月後、弔兵衛は熊より強くなって権左の元を訪れ、見事リベンジに成功したのである。権左に命乞いをして山奥へ逃げ、そこで熊を相手に修業をしていたのだ。……というわけで、漫画本編に登場したときの弔兵衛は、単独かつ素手で熊を殺せるほどの強さを身に着けていたのである。神仙郷の巨大な化物を初日から蹂躙できたのも納得というものだ。強敵に出会えば出会うほど、窮地に陥れば陥るほど、それを打開するために強くなっていくというわけだ。
【弔兵衛の能力③】
亜左弔兵衛は揺るぎない自我と信念を持っている
弔兵衛の名台詞に「オレの主君はオレだっ オレの神もオレだ!!」というものがある(単行本2巻第9話参照)。弔兵衛はどんなピンチに陥っても他人の下に付かない(相手を騙すために取り入るフリをすることはあるが)。そして人生で大事なモノは弟の桐馬(とうま)だけと決めている。
いついかなる時でもこの2つが絶対に揺らがないため、行動に迷いがないし決断が早いのだ。この揺らぎのなさが弔兵衛の一番の魅力と言っても過言ではないだろう。
【弔兵衛の能力④】
亜左弔兵衛は物事を俯瞰で見る冷静さと分析能力を持つ
適応能力と少々被る部分はあるが、弔兵衛は一見すると激情家で、頭よりも先に手が動く粗暴なタイプに見えるが、実は常に物事を俯瞰で眺め、冷静な判断を下す醒めた目を持っている。手が早いように見えるのは、単純に頭の回転が速くて行動が迅速だからだ。
弔兵衛が様々な立場の自我たちと脳内会議を開く様子は、単行本11巻の第102話で見ることができる。とはいえ、どの立場の弔兵衛も桐馬の身の安全を第一に考えているのは一緒だ。
【まとめ】
亜左弔兵衛は素手で熊を倒せる戦闘力と、類まれな環境適応能力を持つ軍師系狂戦士(バーサーカー)

状況判断能力と人心掌握術に長け、何があっても揺るがない確固たる信念も持つ亜左弔兵衛は、同時に熊をも殺せる戦闘能力も持っている。指揮もできるし自ら前線に立って無双もできる、まさに一騎当千の最強軍師兼戦士である。
その能力を全て、大事な弟を生かすためにフル稼働させているのだ。世間的には極悪人とはいえ、とても良いお兄ちゃんである。