この記事を読んでわかること
📌 誰に向けた記事?
『三国志Ⅳ』シナリオ5をプレイする人(三国鼎立の時代を体験したい、中級者以上の方)
✅ この記事で何がわかる?
- シナリオ5の時代背景(221年4月、魏・呉・蜀の三国鼎立完成)
- 選べる全君主のデータ(曹丕、孫権、劉備など各国の詳細)
- おすすめ君主と難易度(魏・呉は中級者向け、蜀は上級者向け)
- 三国鼎立の特徴(外交と軍事のバランスが生死を分ける緊張状態)
- 攻略のポイント(外交戦略、発石車開発、防衛ライン確立)
- 全都市データ(支配勢力、兵力、武将配置)
シナリオ5の特徴
シナリオ5「漢中王劉備」は、221年から始まる。劉備が漢中を攻略して漢中王を称し、関羽が北伐を開始する直前という、三国鼎立が完成した緊張の時代だ。中国大陸のほぼ全土が魏・呉・蜀の三国によって分割統治されており、空白地帯は南蛮など辺境に残るのみ。シナリオ1のように「一から領土を築く」フェーズではなく、すでに成立している巨大な国家機構と、複雑に入り組んだ国境線を引き継ぐ「冷戦」フェーズから始まる。
このシナリオ最大の特徴は、シナリオ1の「内政優先」戦略が通用しない点だ。隣接する敵国が既に数万単位の軍隊を国境に配備しており、悠長に開発や商業に時間をかけると、その隙を突かれて最前線の都市を瞬く間に失う。このシナリオは「内政フェーズ」ではなく「軍事・外交的危機管理フェーズ」から始まり、技術開発(発石車)、外交による二正面作戦の回避、防衛ラインの確立が最優先となる。全勢力が強大で国境線が複雑に入り組んでいるため、一都市の陥落がドミノ倒し的に戦線崩壊を招きかねない、極めて緊張感の高いシナリオだ。
このシナリオで楽しめるポイント
シナリオ5の楽しみ方は、選んだ君主によって全く異なる高度な戦略パズルを体験できることだ。三国鼎立という歴史的瞬間を、緊張感あふれる外交と軍事のバランスで楽しめる。
- 魏:圧倒的国力での守勢による勝利:都市数・武将数・兵力のすべてで他を圧倒する最強勢力。無理な侵攻をせず、強固な防衛ラインを築き、蜀と呉が疲弊するのを待つ「国力勝ち」の戦略が楽しめる。外交で蜀呉同盟を分断し、二正面作戦を強いることが鍵だ。
- 蜀:最も難易度が高い二正面作戦の回避:三国の中で最弱の国力。漢中防衛と荊州問題という二大危機を抱え、対呉外交による戦線凍結が生死を分ける。諸葛亮ら天才軍師と技術兵器(発石車)で、魏の物量に対抗する知略の戦いが展開される。
- 呉:キャスティングボートを握る戦略的選択:魏に次ぐ国力と最強の水軍技術(楼船)を持つ。荊州奪取か合肥攻略か、どちらを優先するかという戦略的ジレンマを解消し、長江の絶対防衛線を確立する。兵糧帝国を築き、蜀をコントロールして魏と戦わせる外交戦が楽しめる。
- 高度な外交と技術開発:二正面作戦を回避するための同盟交渉、敵武将の引き抜き、発石車の早期開発など、シナリオ1にはない高度な戦略要素が満載だ。
どの君主を選んでも、緊張感あふれる三国鼎立の時代を、戦略的思考の限りを尽くして楽しめるのがシナリオ5の大きな魅力だ。
難易度
シナリオ5の難易度は全体的に高く、中級者以上向けだ。シナリオ1の常識が通用せず、戦略パラダイムの転換が求められる。
- 魏:中級(戦略的思考を楽しみたい人向け):圧倒的な国力を持つが、広大な領土ゆえに最も長い国境線と最も多い最前線都市を抱える。防衛ラインの維持、外交による敵の分断、後方都市の内政など、大国ならではの戦略的判断が求められる。リソース管理と長期的視点を楽しみたい中級者に最適だ。
- 呉:中級〜上級(バランス型の戦略が好きな人向け):荊州奪取か合肥攻略かという戦略的選択、水軍を活かした防衛、兵糧帝国の構築など、外交と軍事のバランスが求められる。キャスティングボートを握る立場を活かした高度な外交戦を楽しみたい人におすすめだ。
- 蜀:上級〜最上級(最高難易度に挑戦したい人向け):三国の中で最弱の国力で、漢中防衛と荊州問題という二大危機を同時に抱える。対呉外交の成否が生死を分け、失敗すれば1年と持たずに滅亡する。諸葛亮ら天才軍師と技術兵器で魏の物量に対抗する、最も難易度が高く、最もスリリングな体験を求める熟練者向けだ。
- 三国志の歴史を深く理解している人向け:三国鼎立、荊州問題、関羽の北伐など、三国志の歴史的背景を理解していると、より深く楽しめる。歴史の「もしも」を自分の手で再現したい人に最適だ。
シナリオ1で基本を学び、シナリオ3や4で戦略的思考を磨いた後、最高難易度の三国鼎立の時代に挑戦したいなら、シナリオ5がおすすめだ。緊張感あふれる外交と軍事のバランス、技術開発と防衛ラインの確立という高度な戦略パズルを、自分の手で解き明かそう。
シナリオ5概要
221年4月 漢朝滅び三国鼎立す
赤壁の戦い後、天下の情勢は大きく動いた。呉の陸遜の計略により荊州は奪回され、蜀の猛将・関羽は命を落とす。
220年、乱世の奸雄・曹操がこの世を去った。息子の曹丕が後を継いで漢の献帝から帝位を簒奪し、国号を「魏」と定めた。これにより400年続いた後漢王朝は完全に滅亡する。
これに対し、漢王室の末裔である劉備もまた成都で皇帝に即位した。国号を「漢」とすることで対抗したのだ。ここに魏・呉・蜀の三国が天下を三分する、正真正銘の「三国時代」が幕を開けた。
しかし劉備の心は、義兄弟・関羽の仇を討つべく燃え盛る復讐の炎に包まれていた。夷陵の戦いを前に、呉と蜀の同盟は決裂する。諸葛亮が描いた「天下三分の計」は今、最大の危機を迎えている。
勢力地図
曹操亡き後も、魏が17都市を支配し、国力では他を圧倒している。対する呉は長江以南の13都市を領有し、蜀は西方の6都市を拠点とする。魏・呉・蜀の三国が互いに牽制しあう、緊張感のある勢力図だ。
攻略のポイント
まずは防衛ラインを確立し、技術と兵糧を確保せよ
シナリオ5は三国鼎立が完成した221年、空白地帯がほぼ存在しない緊張状態から始まる。シナリオ1のような「まずは内政を固めよう」という悠長な戦略は、このシナリオでは致命的な罠となる。隣接する敵国は数万単位の軍隊を国境に配備しており、内政にコマンドを割いた隙を突かれて最前線の都市を失うことになる。
具体的には、以下の項目を重点的に上げよう。
- 技術:全勢力共通の最優先事項。発石車(投石車)を開発すれば、城壁から離れた安全な位置から一方的に攻城できる。諸葛亮、曹操、陸遜といった政治・知力の高い武将に技術開発を集中させ、1〜2年以内の完成を目指そう。
- 兵糧:長期戦を支える生命線。特に呉は治水を徹底し、兵糧収入を最大化することで、他国への外交カード(贈り物)としても活用できる。後方都市で農業基盤を固め、最前線へ輸送する兵站線を確立しよう。
- 訓練:最前線都市では内政を捨て、兵士の士気を常に80以上(できれば90台)に維持する。士気の高い部隊は防衛戦で圧倒的な力を発揮し、敵の侵攻を跳ね返すことができる。
シナリオ5では都市の役割分担が鍵を握る。最前線都市は防衛と技術開発に特化し、金や兵糧は後方都市からの輸送で賄う。後方都市でのみ、シナリオ1のような開発・商業・治水の内政を徹底すればよい。
序盤でやっておきたいこと
防衛体制を固めたら、次は外交と人材戦略に移る。シナリオ5は「二正面作戦」のジレンマを抱えており、どの勢力も複数の敵と同時に戦えば確実に破綻する。
- 外交による戦線凍結:最優先事項。蜀は対呉同盟を死守し、漢中防衛に全戦力を集中する。呉は荊州を確保した後、対魏防衛に専念する。魏は蜀呉同盟を分断し、二正面作戦を回避する。外交は単なる友好ではなく、限られたリソースを一つの戦線に集中させるための危機管理コマンドだ。
- 引き抜きと内応:シナリオ5では在野武将がほとんど存在せず、「探索」の価値は著しく低下している。代わりに、諜報で敵武将の忠誠度を調査し、忠誠度90以下の武将を引き抜くことが人材確保の基本となる。特に降将や君主との相性が悪い武将は狙い目だ。
- 兵站線の確立:後方都市で徴兵・訓練した兵士、蓄積した金・兵糧を定期的に最前線へ輸送する。補給線が途絶えれば、どれほど強力な武将を配置しても防衛は崩壊する。輸送コマンドを定期的に実行し、最前線の戦力を常に最大に保とう。
これらの点を意識して進めれば、三国鼎立の緊張状態を乗り越え、中盤以降の天下統一戦に備えることができる。シナリオ5は内政による成長ではなく、外交と技術による時間創出、そして敵のミスを誘う高度な戦略パズルだ。焦らず、しかし決して悠長に構えず、緊張感を持った基盤づくりを徹底していこう。
魏・曹操:漁夫の利を狙う王者の戦略
最強の国力を誇る魏は、焦って事を構える必要はない。呉と蜀が関羽の死と荊州領有を巡って争っているのを好機と見て、両者が疲弊するのを待つのが上策だ。遼東の公孫淵を懐柔して呉や蜀にけしかけ、争いを助長させるのも面白い。あるいはどちらか一方と同盟を結び、もう一方を確実に叩き潰すのも良いだろう。ただし広大な領土の管理と、司馬懿の野心には常に注意を払う必要がある。国家の基盤を固めながら、最適なタイミングで天下統一に乗り出す。王者の戦いが求められる。
蜀・劉備:復讐か、それとも大義か
蜀の当面の目標は、関羽の仇を討ち、荊州を奪回することだ。しかし感情に任せて呉に攻め込めば、夷陵の戦いの悪夢が再現されかねない。まずは内政を固め、劉璋の旧臣たちを懐柔して国力を高めるのが先決だ。漢中や永安で兵を鍛え、武都や陰平といった都市を占領して兵站を確保しよう。さらに南中の建寧を平定して背後の憂いを断てば、万全の態勢で呉に挑むことができる。あるいは私怨を抑え、諸葛亮の進言通りに再び呉と同盟を結び、大敵である魏を討つという選択肢もある。復讐の道か、天下統一への大義か。プレイヤーの決断が蜀の運命を分ける。
呉・孫権:二正面作戦を回避せよ
呉にとって最大の課題は、魏と蜀という二大勢力に挟まれた状況をいかに打開するかだ。劉備の復讐心を考えれば、蜀との戦いは避けられない。陸遜を総大将に任命し、地の利を活かして蜀軍を迎え撃つことになるだろう。しかし蜀との戦いに全力を注げば、北から魏に攻め込まれる危険性が高まる。外交を駆使して魏と一時的に手を結ぶか、あるいは電撃的に蜀との和解を目指すか。内部では山越の反乱も厄介な問題だ。彼らを討伐するだけでなく、甘寧や陸遜のように登用し、自軍の戦力として組み込むといった柔軟な発想も必要になる。
都市データ一覧
| 都市名 |
読み方 |
人口 |
民忠 |
金 |
兵糧 |
開発 |
治水 |
商業 |
技術 |
| 襄平 |
じょうへい |
70,000 |
45 |
100 |
300 |
27 |
41 |
26 |
29 |
| 北平 |
ほくへい |
89,000 |
60 |
2700 |
4100 |
33 |
45 |
31 |
28 |
| 代県 |
だいけん |
124,000 |
55 |
3200 |
4900 |
30 |
49 |
29 |
32 |
| 晋陽 |
しんよう |
95,000 |
55 |
4000 |
6100 |
28 |
47 |
35 |
32 |
| 南皮 |
なんpi |
477,000 |
65 |
4900 |
8000 |
61 |
48 |
63 |
55 |
| 平原 |
へいげん |
420,000 |
60 |
4800 |
7600 |
61 |
47 |
60 |
40 |
| 鄴 |
ぎょう |
226,000 |
62 |
3400 |
7500 |
65 |
46 |
57 |
46 |
| 濮陽 |
ぼくよう |
188,000 |
60 |
5800 |
7000 |
38 |
65 |
39 |
39 |
| 陳留 |
ちんりゅう |
240,000 |
70 |
3600 |
6500 |
50 |
42 |
50 |
42 |
| 洛陽 |
らくよう |
825,000 |
70 |
7500 |
10900 |
81 |
50 |
84 |
81 |
| 弘農 |
こうのう |
152,000 |
62 |
4000 |
5400 |
61 |
44 |
50 |
52 |
| 長安 |
ちょうあん |
331,000 |
68 |
9600 |
14200 |
81 |
36 |
80 |
71 |
| 安定 |
あんてい |
101,000 |
45 |
2900 |
4200 |
39 |
58 |
34 |
39 |
| 天水 |
てんすい |
144,000 |
48 |
3700 |
6100 |
43 |
67 |
39 |
37 |
| 西涼 |
せいりょう |
115,000 |
45 |
100 |
300 |
37 |
72 |
45 |
39 |
| 北海 |
ほっかい |
95,000 |
65 |
3100 |
6200 |
42 |
90 |
39 |
40 |
| 下邳 |
かひ |
205,000 |
60 |
3400 |
6200 |
55 |
46 |
61 |
45 |
| 徐州 |
じょしゅう |
202,000 |
60 |
2900 |
5200 |
59 |
41 |
57 |
43 |
| 許昌 |
きょしょう |
560,000 |
75 |
9600 |
13600 |
60 |
65 |
70 |
72 |
| 譙 |
しょう |
499,000 |
60 |
2300 |
4200 |
46 |
51 |
55 |
60 |
| 汝南 |
じょなん |
530,000 |
55 |
3100 |
4100 |
46 |
55 |
51 |
60 |
| 宛 |
えん |
439,000 |
60 |
3800 |
5300 |
60 |
60 |
60 |
60 |
| 新野 |
しんや |
411,000 |
48 |
4900 |
7000 |
60 |
29 |
30 |
31 |
| 襄陽 |
じょうよう |
660,000 |
65 |
6900 |
9400 |
72 |
50 |
73 |
57 |
| 上庸 |
じょうよう |
424,000 |
55 |
3500 |
5100 |
58 |
39 |
48 |
36 |
| 江夏 |
こうか |
159,000 |
65 |
4800 |
6600 |
62 |
41 |
49 |
33 |
| 江陵 |
こうりょう |
261,000 |
62 |
5400 |
5200 |
61 |
45 |
40 |
42 |
| 武陵 |
ぶりょう |
140,000 |
60 |
3100 |
4400 |
56 |
45 |
44 |
36 |
| 長沙 |
ちょうさ |
363,000 |
60 |
3100 |
6000 |
56 |
43 |
52 |
36 |
| 桂陽 |
けいよう |
264,000 |
47 |
100 |
300 |
51 |
42 |
40 |
45 |
| 零陵 |
れいりょう |
341,000 |
62 |
3200 |
4700 |
48 |
40 |
42 |
40 |
| 寿春 |
じゅしゅん |
170,000 |
55 |
3400 |
6200 |
47 |
39 |
71 |
40 |
| 建業 |
けんぎょう |
301,000 |
72 |
7200 |
11500 |
56 |
45 |
80 |
56 |
| 呉 |
ご |
264,000 |
60 |
3600 |
6100 |
45 |
40 |
71 |
36 |
| 会稽 |
かいけい |
135,000 |
68 |
3600 |
5900 |
45 |
42 |
69 |
41 |
| 廬江 |
ろこう |
150,000 |
68 |
4100 |
7600 |
40 |
41 |
70 |
42 |
| 柴桑 |
さいそう |
238,000 |
60 |
4800 |
6000 |
41 |
43 |
66 |
36 |
| 漢中 |
かんちゅう |
185,000 |
65 |
5600 |
10100 |
58 |
80 |
46 |
53 |
| 下弁 |
かべん |
118,000 |
58 |
2900 |
6100 |
46 |
65 |
46 |
48 |
| 梓潼 |
しとう |
282,000 |
60 |
4500 |
6600 |
52 |
66 |
47 |
49 |
| 成都 |
せいと |
402,000 |
70 |
6600 |
9300 |
60 |
75 |
56 |
59 |
| 永安 |
えいあん |
378,000 |
58 |
3000 |
4600 |
30 |
55 |
32 |
36 |
| 江州 |
こうしゅう |
331,000 |
63 |
4400 |
5600 |
30 |
59 |
36 |
34 |