この記事を読むと「梨のつぶつぶ模様やシャリシャリ触感の正体」が分かる!
シャリシャリとつぶつぶ模様ができる理由と成分が分かって、梨を食べるときの納得感が爆上がり!おまけに梨の栄養にも詳しくなれる!
更新: リニューアル by イラレブック
この記事を読むと「梨のつぶつぶ模様やシャリシャリ触感の正体」が分かる!
シャリシャリとつぶつぶ模様ができる理由と成分が分かって、梨を食べるときの納得感が爆上がり!おまけに梨の栄養にも詳しくなれる!
いま私、すっごく梨のこと考えてたの。
それで私に連絡くれたのね。
ええ。それで良かったら、梨について色々教えてくれないかしら。
もちろんいいわ。興味を持ってくれてありがとう。
石細胞は主にリグニン、ペントザン、セルロース、シリカなどの成分が結晶化したもので、細胞壁が厚くて硬いのが特徴である。
種の周りで作られはじめて、実が熟していく過程で全体に広がっていく。
硬い細胞だからシャリシャリするのね。
種を守るためにできると言われているけれど、
なぜリンゴにはないのに梨だけ?とか、まだ謎は多いの。
石細胞と言われる梨のシャリシャリに含まれているリグニンやペントザンというのは、食物繊維の一種なので便秘解消に役立ってくれる。
それにシリカは鉄分や銅と同じくミネラルの一種で、コラーゲンと似た働きで肌や骨、爪などを丈夫にするはたらきがあると言われている。
それほど積極的に多く摂らなければいけない栄養ではないが、梨の1つの大事な長所である。
シリカって最近よく聞くわ。シリカ入りのミネラルウォーターとか
シリカは日常の食事で充分摂れるから、実は積極的に摂る必要はないの
謎のシャリシャリと言われる石細胞も、人の役に立っているのよ。
大事よ!天然の栄養成分。アピールしていきましょ!
梨の絵を描くとき、多くの人が黄色く塗ってから点々をいっぱい描くのではないだろうか。
梨の皮は白っぽいつぶつぶ模様になっているものだ。
このつぶ模様の正体は「果点コルク」というのが抜けた跡で、梨の中の水分が外に流れてしまうのを防ぐ役割を果たした名残りと言われている。
梨の実が成長する過程で、小さいうちは表面に気孔という呼吸用の穴をつくって、それで酸素を摂り入れて成長していくのだが、実が大きくなっていくとこの気孔は役目を終えて壊れてしまう。
この壊れた気孔を放っておくと、果実の水分がそこから抜けてしまうので、梨はそれを防ぐためにコルクのような硬い物質を生み出して気孔をふさぐ。
さらに実が成長すると、そのコルクも用済みになって抜けていき、熟した実ができあがるというわけだ。なので若い梨は表面がザラザラしている。
梨の実ってすっごく賢いのね!
独自の防御方法を持って進化した、意外と不思議な果実なのよ。
それに年を重ねるとツルツルになっていくって、ナスのヘタと一緒ね…
若さにはザラツキとトゲが付きものよ…。経験を重ねて角が取れていくんだから…
成分名 | 各項目の説明 |
---|---|
廃棄率 | 食べずに捨てる部分の割合 |
エネルギー(kcal) | 日本でよく使われるカロリーの単位 |
エネルギー(kJ) | 世界でよく使われているカロリーの単位 |
水分 | 含まれている水分の割合 |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | アミノ酸の量から計算したたんぱく質量 |
たんぱく質 | 窒素の量から計算したたんぱく質量 |
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量 | トリアシルグリセロール=食用油脂の主成分 |
コレステロール | 細胞膜や体の働きを微調整したり胆汁酸(脂肪を消化・吸収する役割がある)の材料になる物質 |
脂質 | 必須脂肪酸(生きていくために身体を保つための必要な脂肪)としての役割や、脂溶性ビタミンの吸収を助けるはたらきをする成分 |
炭水化物(利用可能炭水化物(単糖当量)) | 人間がエネルギーとして利用できる炭水化物を、でん粉やぶどう糖、果糖などの量から計算した値 |
炭水化物(利用可能炭水化物(質量計)) | 炭水化物が含まれる物質をそれぞれ各成分に分離させてから、炭水化物だけを集めて量った値 |
炭水化物(差引き法による利用可能炭水化物) | 100gの食品中から、水分、アミノ酸組成によるたんぱく質、脂肪酸のトリアシルグリセロール当量、食物繊維総量、有機酸、灰分、アルコールの分量を引いた値 |
炭水化物(食物繊維総量) | 炭水化物中の食物繊維量。食物繊維は炭水化物の一種だが、0kcalなので摂り過ぎても太らない。むしろお通じの量を増やして便秘を解消してくれる。 |
炭水化物(糖アルコール) | 酸に強く、体内に吸収されにくい糖分のこと。ダイエット食品に甘味を付けるためによく利用される成分だ。 |
炭水化物総量 | 上記を全て足した炭水化物の総量。 |
有機酸 | 酸性を示す有機化合物の総称で、クエン酸や酢酸などがこれにあたる。食べ物を酸っぱくする成分で、抗酸化作用や抗菌作用があるものが多い。 |
灰分 | 「はいぶん」ではなく「かいぶん」と読む。食べ物を燃やした時、燃え尽きたあとに残る灰の量のこと。灰になるのは無機質(=ミネラル)だけなので、食品に含まれる無機質の総量だと思えば良い。 無機質の一覧は下記の通りだ。 |
無機質(ナトリウム) | 体内のミネラルバランスを保つはたらきを持っていて、塩分に多く含まれている。ナトリウム過多になると体がむくんだり高血圧の原因になるので塩分の摂り過ぎには気を付けよう。 |
無機質(カリウム) | 摂り過ぎたナトリウムを尿として体外に排出してくれる。カリウム自体は摂り過ぎても勝手に体外に排出されるので、塩分摂り過ぎな人はカリウムをしっかり摂ろう。海苔やわかめ、ひじきなど海藻に多く含まれている。 |
無機質(カルシウム) | 骨や歯の材料になる他、神経の興奮(イライラ)を抑えてくれる。しかしあまりにも摂り過ぎると体内に結石を作ってしまうので気を付けよう。とはいえ普通の食生活で過剰になる事はめったにない。 |
無機質(マグネシウム) | 筋肉の収縮を助けたり、神経の興奮(イライラ)を抑えてくれる。摂り過ぎても勝手に体外に排出されるので積極的に摂ろう。海藻に多く含まれている。 |
無機質(リン) | カルシウムと共に骨や歯の材料になる他、体内の酸性とアルカリ性のバランスを良くしてくれる。摂り過ぎると肝機能の低下を招くが、するめや干しさくらえびを毎日大量に食べない限りは大丈夫だ。 |
無機質(鉄) | 酸素を全身に届けて貧血を予防してくれる。過剰摂取になることはまずなく、むしろ何も考えずに食事をしていると不足するので、海苔やレバー、ひじきを食事に摂り入れよう。不足すると貧血になったり疲れやすくなる。 |
無機質(亜鉛) | 体内全ての細胞に必要な栄養で、味覚を正常に保つのにも役立つ他、生殖機能の衰えも防いでくれる。摂り過ぎても悪影響はないので積極的に摂ろう。サプリメントで補うのもありだ。 |
無機質(銅) | 骨や血管を丈夫にしたり皮膚を健康に保ってくれる。鉄分の吸収を助けてくれる。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
無機質(マンガン) | 骨の発育を助ける他、肝臓の酵素作用を高めてくれる。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
無機質(ヨウ素) | 甲状腺ホルモン(体の代謝や成長を調節する物質)の材料になる。しかし摂り過ぎると逆に甲状腺ホルモンの合成ができなくなるので気を付けよう。とはいえ摂り過ぎになることはまずない。 |
無機質(セレン) | 抗酸化作用で体の老化を防いでくれる。しかし1日に40μgを超えて摂取を続けていると摂取過多で脱毛や爪の変形を招くことがある。 |
無機質(クロム) | 炭水化物や脂質の代謝を助けてくれる他、血糖値を正常に保つはたらきがある。ダイエットや血圧を下げたい人は1日10μgの摂取を目指そう。 |
無機質(モリブデン) | 尿をつくる材料になる。なので摂らないと尿を経由した老廃物の排出ができなくなるので気を付けたい。1日30μgの摂取が目標。 |
ビタミンA(レチノール) | レチノールは動物性のビタミンAのこと。なので基本的に植物(野菜、果物、海藻)には含まれない。 |
ビタミンA(α−カロテン) | 植物に含まれる色素成分で、体内でビタミンAに変換される成分。しかしαカロテンはβカロテンの半分のはたらきしかない。 |
ビタミンA(β−カロテン) | 植物に含まれる色素成分で、体内でビタミンAに変換される成分。摂り過ぎた分はビタミンAに変わらずに体外へ排出されるのでたくさん摂っても問題ない。 |
ビタミンA(β−クリプトキサンチン) | 植物に含まれるオレンジ色の色素で柑橘類に多い。骨の形成を助けてくれる。 |
ビタミンA(β−カロテン当量) | α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンの総量 |
ビタミンA(レチノール活性当量) | レチノール、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン全ての働きを総合した結果、体内でビタミンAとして取り入れられる総量。 ビタミンAは粘膜を丈夫にしてくれるので、花粉症や鼻炎、結膜炎、渇き目、喉荒れを軽減したり防いでくれる。 |
ビタミンD | カルシウムやリンの吸収を助ける。 |
ビタミンE(α−トコフェロール) | 最も効果が高いビタミンE成分。ビタミンEは抗酸化作用が強く、細胞の老化を防いで体全体を若々しく保ってくれる。摂り過ぎても体外へ勝手に排出されるので積極的に摂ろう。 |
ビタミンE(β−トコフェロール) | α-トコフェロールの40%程度の力を持つビタミンE成分 |
ビタミンE(γ−トコフェロール) | α-トコフェロールの10%程度の力を持つビタミンE成分 |
ビタミンE(δ−トコフェロール) | α-トコフェロールの1%程度の力を持つビタミンE成分 |
ビタミンK | 骨の形成を助ける他、怪我をしたときなどの血液の凝固を助けてくれる。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
ビタミンB1 | 炭水化物をエネルギーに変えるのに必要な成分。消化液の分泌を促進したり、神経機能を正常に保つはたらきもする。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
ビタミンB2 | 炭水化物、脂質、アミノ酸をエネルギーに変えるのに必要な成分。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
ナイアシン | 炭水化物、脂質、アミノ酸をエネルギーに変えるのに必要な他、皮膚を健康に保つはたらきもある。ただし摂り過ぎると皮膚が赤くなったり、吐き気や腹痛をもよおすことがある。 |
ナイアシン当量 | ナイアシンにニコチン酸アミド,トリプトファンという成分も足した値。これら全てが体内でナイアシンと同じはたらきをする。 |
ビタミンB6 | アミノ酸の代謝を助ける他、皮膚を丈夫にして肌の健康を保ってくれる。摂り過ぎると不眠症になる恐れがあるが、サプリメントの過剰摂取でもしない限り心配ない。 |
ビタミンB12 | 主に動物性の食品に含まれる成分で、赤血球の材料になったり中枢神経の機能を正常に保ってくれる。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
葉酸 | 赤血球を作ったり、たんぱく質の合成、細胞の増殖を促して体を成長させてくれる。なので妊婦(胎児)や乳幼児には積極的に摂らせたい栄養だ。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
パントテン酸 | 炭水化物、脂質、アミノ酸をエネルギーに変えるのに必要な他、善玉コレステロールを増やすはたらきがある。それに皮ふや粘膜の健康維持、免疫力UP効果もある。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
ビオチン | 代謝を促進する他、皮膚や髪を健康に保ってくれる。摂り過ぎによる悪影響はない。 |
ビタミンC | 抗酸化作用が強く、身体の若さを保ってくれる他、免疫力UP効果もある。摂り過ぎても尿から排出されるので心配ない。 |
アルコール | 少量なら気持ちをリラックスさせる効果があるが、摂り過ぎると麻酔薬のように運動機能や痛みを麻痺させたり意識障害を引き起こす(つまり酔っぱらう)。 |
食塩相当量 | 100g中に含まれる塩分の量。 |
悪いものを全部出してリフレッシュできるのね、ステキ!
仕事や勉強、スポーツで疲れた時に食べてもらいたいわ
ところで気になったのだけど、中国梨ってどんなのかしら?
日本でも作ってるなんて知らなかったわ
千両梨は北海道、鴨梨は岡山県で栽培されているの
他の梨と入れ替わりで市場に出ていくのね、今年探して買ってみるわ!
とにかくお尻が大きいものを選ぶ。それが選ぶコツよ。
8月の終わりから9月のはじめ頃から店頭に次々に並び始めるので、梨の姿を見かけると「今年も秋が来たな…」と実感する。
丸い和梨もお尻の大きい洋梨(ラフランス)も、それぞれに味があり、どちらも美味しい。
秋といえば秋ナスもだけど、何と言っても梨ね!
秋は食欲の秋!梨の魅力を紹介して、より楽しく食欲を満たしてもらいましょ!
いくつになっても探求することを忘れない彼女が今回ターゲットにしていたのは梨だ。
暑い季節にシャキっとみずみずしい梨は、心に清涼感を与えてくれる。
※ナスさんの前回のストーリーが読みたい方は「キムチ」の記事へ!
梨には梨の特別な栄養があった。
そしてその梨の栄養は、梨の美味しさを語るときには欠かせない、あのつぶつぶに関係していたのだ。
今回は気になるつぶつぶの秘密から、梨の栄養をひも解いてきた。
梨が持つスペシャルな栄養を知って、次に梨を食べる時には効果をイメージしながら、梨のシャリシャリをより美味しく味わえるようになったのではないだろうか。
そうそう、あのつぶつぶが美味しいのよね。
(宝玉は元から輝いているのではなく、職人がよく磨くことで宝玉になるのだ。)
by 空海
これからも品種改良で、宝石のような梨がたくさん生まれていくと思うわ。
次はきゅうりさんも誘ってまた話しましょ。
うふ。楽しみにしてるわ。